「転職して本当によかったです」
そう語るのは、廿日市カープタクシーの乗務員 栁原昌明さん、43歳だ。

栁原さん「スケジュールに追われることがなくなりました」
前職は大手運送会社の宅配ドライバーだった。
荷積み前の仕分け作業は、本来、朝の作業なのだが、夜に帰庫したときにはすでに翌朝の荷物が山積みのため、帰宅前に仕分けをある程度しておくこともあったという。帰宅が遅くなり短い睡眠で翌日また出社、の毎日。
最近当たり前になってきている1品からでも送料無料・即日発送のサービスで利用量が増加した通販の影響だろう。
思い切ってタクシードライバーに転職して本当に良かったと、栁原さんは実感している。
「転職前と給料が同じかそれ以上で、こんなに楽なんて」
同じ職場からカープタクシーに転職してきた仲間と、そう言葉を交わしているらしい。

転職当初、タクシードライバーという職業にご家族は懐疑的だったが、収入も安定し今は理解を得ている。

栁原さんは2日に1回勤務する【隔日勤務】のため、勤務の翌日は非番で自宅にいる。
隔日勤務なら家族と過ごせる時間が多く、ご家族も喜んでいらっしゃるんじゃないですか?
という問いには笑って答えた。
「昼寝してるんで、邪魔者扱いですよ(笑)」

隔日勤務の人は非番の日は昼過ぎまで寝ることが多いが、栁原さんはお子さんが登校するまでには一度起きて、一緒に朝食を摂る。その後は、奥様と買い物に行ったりと、家族との時間を過ごし、昼寝をする。
いやいや邪魔者扱いなんてとんでもないじゃないですか。
いいお父さん、いい夫ですよ。

「いつも昼寝してるって思われてるんで、せめて毎年家族旅行するくらいのことはしないと」
栁原さんは、半年に1回行われる優良乗務員表彰を今年初めて受賞した。あと5回、つまりあと2年半継続して優良乗務員表彰を受賞すれば、旅行券がプレゼントされる。
節目の年には、ぜひ旅行券を軍資金に、いつもより豪華な家族旅行をしてください!

栁原さん栁原さんはかつてスーツを着て働くような職種に憧れがあり、東京で一度はそういった職にも就いた。しかし、自分には向いていないと感じて退職し、帰広した。
弟さんは、数年おきに転勤するたび出世する、といったサラリーマン人生だ。
「仕事って向き不向きがあると思います」
以前は弟さんに張り合う気持ちがあったが、今はマイペースで働くことが性に合うと分かっている。
「最初は接客に不安がありましたが、やってみればなんてことはなくて」

仕事をしていて楽しい瞬間は、ご乗車されたお客様から「また栁原さんじゃね」と声を掛けられ、以前ご利用されたお客様に名前を覚えておいていただけたことが分かったときだそうだ。
行ったことがない場所へお客様をお送りするときもワクワクする。

栁原さんにとって、タクシードライバーは天職かもしれない。